創傷被覆材のヒント集

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【作成協力】メンリッケヘルスケア株式会社

【参考】特定非営利活動法人表皮水疱症友の会DebRA Japan編集. 表皮水疱症(EB)赤ちゃんのためのガイドブック~新生児・乳児のケア~. 照林社, 2019, p.14

栄養障害型表皮水疱症(DEB)で生じる水疱でできた傷の治りを早めるためには、「浸潤環境」を保つことが大切です。「創傷被覆材」は、傷口からの滲出液を吸収しつつ、乾燥させすぎないように調整する機能があり、水疱形成リスクを低減するなどのメリットがあります。
ご自身の傷口に合った創傷被覆材を選び、上手にご使用いただく際のヒント集をご用意しました。

浸潤環境とは?
  • 傷口から出てくる滲出液中の、治癒にかかわる細胞やたんぱく質のはたらきをサポートするため、傷口を乾燥させずに湿った環境を保持することで、治りをよくします。
  • 湿潤環境のもとで傷を治すことを「モイスト・ウンド・ヒーリング(湿潤環境療法)」といい、創傷被覆材(ドレッシング材ともいいます)を使用します。

創傷被覆材を選ぶ

【参考】特定非営利活動法人表皮水疱症友の会DebRA Japan編集. 表皮水疱症(EB)赤ちゃんのためのガイドブック~新生児・乳児のケア~. 照林社, 2019, p.16

創傷被覆材には、厚さの違いや粘着力の有無によってさまざまな製品が販売されています。ご自身の傷口からの滲出液の量や傷口の部位に合った製品を、医師と相談して選択します。

創傷被覆材の選択の目安

傷口の状態 創傷被覆材
滲出液 多い 吸収力がある、厚めのもの
少ない 吸収力が低い、薄めのもの
部位 手や足の指、指の間など細かい部位 薄めのもの
ひじ、ひざなど丸みのある部位 粘着力があって薄めのもの
外力がかかりやすい部位 クッション性のあるもの

創傷被覆材の形態別の特徴(利点・注意点・使用上の注意)

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形態 利点 注意点 使用上の注意
粘着力のない製品 厚めの製品
  • 吸収力がある
  • クッション性がある
固定のために、包帯やテープを必要とする
  • 固定のために包帯を使用するときは、1日に数回巻き直しを行い、一定の場所に包帯による圧がかかり続けないように注意する
  • チューブ型包帯の使用も検討する
薄めの製品 屈曲部(関節部で曲がる部位)や指などに沿いやすい
粘着力のある製品 厚めの製品
  • 吸収力がある
  • 身体の丸みのある部位(かかと、ひじなど)の傷口にも沿いやすい
  • クッション性がある
粘着力が皮膚に負担となることがある
  • 粘着成分が皮膚に対して負担となる場合は、傷口に軟膏類を塗布するなどして、皮膚を保護する
  • 創傷被覆材をはがす際に、皮膚への刺激が少なくなるように注意する
    参考:創傷被覆材を交換する
  • 製品により粘着力が異なるため、皮膚に合う製品を選ぶ必要がある
薄めの製品
  • 指や指の間、細かな部位に利用できる
  • 身体の丸みのある部位(かかと、ひじなど)の傷口にも密着させやすい

創傷被覆材を貼る

【ご監修】福岡市立こども病院 皮膚科 工藤 恭子先生
看護師 丸山 諒子先生
【参考】特定非営利活動法人表皮水疱症友の会DebRA Japan編集. 表皮水疱症(EB)赤ちゃんのためのガイドブック~新生児・乳児のケア~. 照林社, 2019, p.18-19、24

創傷被覆材はその使用方法にコツがあります。傷口の大きさや身体の形状に合わせて使用することが大切です。

傷口よりもひと回り大きめのサイズを準備

  • 血液や滲出液が染み出ることがないように、傷口を十分に覆うことができるサイズ【図1】にすることが大切です。
    【図1】貼付する創傷被覆材の大きさの目安(点線内:傷口)
    腕に貼付する創傷被覆材の大きさの目安を示した図
  • 貼付する部位に合わせて切り込みを入れることで、引っ張られにくくなり、身体の形状にも沿いやすくなります。
【図1】貼付する創傷被覆材の大きさの目安(点線内:傷口)
腕に貼付する創傷被覆材の大きさの目安を示した図

必要に応じてテープや包帯で固定

  • 手足などの動きの大きな部位はどうしてもはがれやすくなるので、必要に応じてテープや包帯で固定しましょう。

    〈テープで固定する場合〉
    皮膚にじかに触れても問題のない製品を選びましょう。

    〈包帯で固定する場合〉
    きつく巻きすぎると、身体が動かしづらく、運動機能が低下するため、きつく巻きすぎないように注意します。部位によってはチューブ型包帯【図2】などを活用します。

【図2】チューブ型包帯
脚にチューブ型包帯を装着した状態の図

粘着力が皮膚への負担になる場合は、軟膏やワセリンを活用

  • 創傷被覆材の粘着力が皮膚への負担になる場合は、軟膏やワセリンを傷口や周囲の皮膚に塗布しましょう。
    創傷被覆材の粘着力を調整し、固着(こびりついて離れなくなること)を防止することができます。
  • なお、塗布しすぎると粘着力が損なわれるため、使用量は調節が必要です。

夏場の汗などでムレが気になる場合

  • 創傷被覆材に切れ込みを入れることで通気性を向上することができます。(滲出液が多いと衣服についてしまうことがあるため要注意)

貼付方法のコツ(一例)をご紹介します。傷口の部位や皮膚の状態に応じて、ご自身に合ったやり方を見つけることが大切です。

前面

首に貼る創傷被覆材の切り込み例

創傷被覆材を大きく切って、四方に切れ込みを入れる

肩(鎖骨付近)

肩の鎖骨付近に貼る創傷被覆材の切り込み例

四方に切れ込みを入れて鎖骨に沿うように貼付する

ひじ

ひじに貼る創傷被覆材の切り込み例

創傷被覆材に三角形の切れ込みを2ヵ所入れ、ひじを20〜30度に折り曲げて貼付する

鼠径部

鼠径部に創傷被覆材を2枚貼る例

四方に切れ込みが入った創傷被覆材を2枚用意し、①②の順番で貼付する

ひざ

ひざに貼る創傷被覆材の切り込み例

関節部分に縦に切れ込みを入れて包み込むように貼付する

つま先

つま先に創傷被覆材を沿わせる例

創傷被覆材に十字になるような切れ込みを入れ、指に沿わせる

足指の間

足指の間に貼る創傷被覆材のカット例

台形状にカットし、指の間に挟み込むようにして貼付する

背面

耳に沿わせる創傷被覆材の切り込み例

薄い創傷被覆材に図のような切れ込みを入れ、耳に沿わせる

耳を囲むように貼る創傷被覆材の切り込み例

創傷被覆材を半分に折り、開くと半円状になるような切れ込みを入れ、穴から耳を通して、耳を囲むように貼付する

首〜肩甲骨にかけて

首から肩甲骨にかけて創傷被覆材を貼る位置の例

肩の後ろから前にかけて、両肩(①②)に貼付したのち、その上から首(③)に巻き付ける。さらに固定するために、背中に④を貼付する。

【肩周りの固定方法】
肩幅より少し長めにカットしたチューブ型包帯に(図1)のように切れ込みを入れて腕を通す穴を作る。左右の腕を穴に通して、包帯を二の腕までたぐり寄せる(図2)。手前にある包帯を服を着るようなイメージで頭の上を通って背中側へ移動させる(図3)。肩全体を包み込むように整え、首〜肩甲骨周りの被覆材を上からしっかりと固定する(図4)。

図1:チューブ型包帯に切れ込みを入れる例図2:腕を通して包帯を二の腕までたぐり寄せる例図3:包帯を頭の上を通して背中側へ移動させる例図4:首から肩甲骨周りの被覆材を固定する例

【肩回りの固定方法】は動画(音声なし)でもご確認いただけます。

手に貼る創傷被覆材の切り込み例

真ん中に4本縦に切れ込みを入れて、指を通すようにして貼付する

おしり

おしりに創傷被覆材を3枚貼る例

四方に切れ込みが入った創傷被覆材を3枚用意し、①②③の順番で貼付する

かかと

かかとに貼る創傷被覆材の切り込み例

創傷被覆材に三角形の切れ込みを2ヵ所入れ、かかとに沿って貼付する

【肩回りの固定方法】は動画(音声なし)でもご確認いただけます。

創傷被覆材を交換する

【参考】特定非営利活動法人表皮水疱症友の会DebRA Japan編集. 表皮水疱症(EB)赤ちゃんのためのガイドブック~新生児・乳児のケア~. 照林社, 2019, p.19-20

創傷被覆材は種類にもよりますが、その面積の7〜8割くらい滲出液を吸収したら、交換します。
創傷被覆材をはがすときは傷口に対して、180度折り返すようにはがすと、皮膚への負担を軽くできます。

創傷被覆材が滲出液を吸収した状態の図
  • 創傷被覆材の面積の7〜8割程度、滲出液を吸収したら交換します。
  • 交換時期は、通常1〜3日程度ですが、傷口の状態にもよるため、医師の指示に従います。
  • 創傷被覆材をはがす手と反対の手で皮膚を押さえながら、創傷被覆材を180度折り返すように、ゆっくりとはがします。
  • 入浴時に湯舟につかりながらはがす方法もあります。創傷被覆材が傷口に固着している(こびりついて離れない)場合は、「ぬらしながらはがす」のではなく、「ぬらしておく時間(15分程度)をとる」ことで、はがしやすくなります。
創傷被覆材を皮膚に対して180度折り返すようにはがす方法の図

その他

【参考】特定非営利活動法人表皮水疱症友の会DebRA Japan編集. 表皮水疱症(EB)赤ちゃんのためのガイドブック~新生児・乳児のケア~. 照林社, 2019, p.20-21

DEBでは手足の指同士が癒着することがあります。指が癒着した状態では、手足がうまく使えない分、その負担が身体全体にかかります。この状態が続くと内臓機能に影響したり、筋肉や関節が固まって動かなくなる(拘縮する)ことがあり、機能回復が遅れることもあります。したがって指の癒着が起こらないよう、予防することが大切です。

  • 指に水分や油分を補うため、保湿剤や油脂クリームを数時間おきに塗布しましょう。
  • 指を1本1本、離しておくために、薄い創傷被覆材や包帯を巻きましょう。

手の指の場合

手の指ごとに創傷被覆材を貼り、その上から包帯で固定する例

指ごとに粘着力が小さく薄い被覆材を貼付し、その上から包帯で固定

足の指の場合

足の指に合わせた創傷被覆材を貼り、チューブ型包帯をかぶせる例

足の指のサイズに合わせた、粘着力が小さく薄い被覆材のわっかを作り、保護したい指に挿入するように貼付し、チューブ型包帯をかぶせる

Not all blisters are the same. Could yours be DEB? Ask your doctor about a genetic test for DEB